みなさん,資産形成を考えたことはあるでしょうか.現代は年金などもあまりあてにはできず,個人ひとりひとりが資産を形成していく必要があります.
しかしその資産形成を考える前に,知っておかなくてはいけない考え方があります.それが複利という考え方です.
実はこの複利は資産形成を考えていくうえで決して無視することができない重要な考え方なのです.
複利とは
複利とは20世紀最大の物理学者の一人であるアインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだ考え方のことなのです.特殊相対性理論など様々な素晴らしい発見をしてきた彼にそこまで言わしめる複利の考え方についてこれから学んでいきたいと思います.
複利の考え方
複利とは元金(最初のお金)によって生じた利子を次の元金に組み入れる方式であり,元金だけでなく利子にも利子がつくといった考え方のことです.
ここで一つ簡単な問題を考えてみましょう.
年の利率が2%の銀行に100万円を預けたとします.
Q1. 1年後の利子は何円?
Q2. ではもう一年たった2年後の利子は何円?
Q3. では30年後は?
Q1.に関しては簡単ですね.100万×2%÷100 = 2万円
ではQ2.はどうでしょうか.2年目に関しては2年目の初めには元金が100万にくわえて利子の2万円が増加するので102万円になります.これにさらに利子が付くので102万×2%÷100 = 2.04万円になります.
当たり前のように思いますが,日本のマネーリテラシーを調べる試験でこの複利に関する問題も出るのですが,2年後に関しても利子は2万円と勘違いされているかたも一定数いるようです.
ここで大事なのは,2年目の利子が1年目の利子よりも多くなっているということです.
では最後に30年後の利子を考えてみましょう.
おおよそどのくらいの利子が付くかみなさん予想してみてください.
- 3万円程度
- 10万円程度
- 60万円程度
さぁ,どのくらいの利子が付くと思いましたか.
正解は3.の60万円程度です.
毎年これだけの利子が付くといったことに驚く人も多いと思います.
これが複利というものなのです.
ちなみに複利ともう一つ単利というものが存在します.これは一番最初の元金にしか利子が付かないという考え方ですので.毎年2万円の利子が付きます. こうして考えてみると1年や2年といった短い期間だと単利も複利もあまりつく利子に違いはないのですが,長期間で考えると大きな差が出ていることがわかりますね.
資産形成になぜ複利が必須なのか
さて,ここまでで,複利がすごいということがなんとなくわかったところで資産形成とのかかわりを考えていきましょう.
日常生活で基本的に利子がつく場面を考えてみてください.
どのくらい思いつきましたか?銀行預金,株式投資,住宅ローン,クレジットのキャッシングなどがあると思います.
銀行預金や株式投資などでは自分たちが利子をもらう側ですね.一方でローンなどの借金は利子を払う側なのです.
ここでそれぞれの利率を比べてみましょう.
現在銀行にお金を預けていても利率は0.001%とかの時代です.複利がいかにすごいといっても利率が低すぎると恩恵は感じにくいものなのです.次に株式投資ですね.これは一般には数%程度のリターンが期待できると考えられています.そのため,現在では株式などで資産運用をしていくべきといった風潮があるわけです.
では自分たちが利子を払う側である借金についてみていきましょう.カーローンで2~3%,カードローンなどでは10%以上というのが当たり前です.
さて,自分たちが利子をもらう側と払う側どちらの利子が高かったでしょうか.当然払う側ですね.つまり,この複利という考え方は味方ではなく敵にした時が一番恐ろしいのです.自分のもらえる利子よりもはるかに速いスピードで利子は増加していってしまいます.これではお金はたまることはありません. このことをしっかりと念頭においておきましょう.本当に資産形成を行いたいのであれば,しっかりと利率を考え,自分が得られる収入とのバランスを考えましょう.そうすれば複利は最大の見方となり私たちの資産形成の手伝いをしてくれます.
しっかりと,複利の理屈を学んで将来のための資産形成を進めていきましょう.
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