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【資格試験】エネルギー管理士試験とは?受験の振り返り(熱分野)と各科目の勉強方法について

資格試験
おたち
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先日第46回(令和6年度) エネルギー管理士試験(熱科目)を受験してきたよ。

今回は試験の概要と科目の勉強方法等についてまとめてみます。

エネルギー管理士試験とは

エネルギー管理士とは、「エネルギーの使用の合理化に関する法律(通称:省エネ法)」によって定められた国家資格になります。エネルギー管理士から選任された「エネルギー管理者」は、エネルギーを使用する設備の維持管理やエネルギー使用量の監視、エネルギー使用効率化、現場指揮などを担います。

 

試験科目及び出題範囲

エネルギー管理士試験は電気と熱の2種類の試験があり、それぞれ必須基礎科目と選択専門科目3科目の計4科目に合格したら、晴れて資格を取得することができます。

また、合格した科目を翌年に持ち越すことができる科目合格制を取っており3年間で4科目に合格したら、資格を取得することができます。

おたち
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以下に熱分野のそれぞれの科目と出題範囲について簡単に説明していくよ!

必須基礎科目

Ⅰ. エネルギー総合管理及び法規

この科目は熱と電気両方に共通の科目でエネルギー使用の合理化等に関する法律および命令やエネルギー総合管理に関する問題が出題されます。

また、熱分野及び電気分野での基礎知識や計算問題も出題されます。

得点構成としては以下の通りです。

  • エネルギーの使用の合理化等に関する法律及び法令:50点
  • エネルギーの情勢、制作、エネルギー概論:50点
  • エネルギー管理技術の基礎:100点

 

選択専門科目(熱)

Ⅱ. 熱と流体の流れの基礎

この科目では熱力学、流体力学、熱工学に関する問題が出題されます。

得点構成は以下になります。

  • 熱力学の基礎:100点(50点×2問題)
  • 流体工学の基礎:50点
  • 伝熱工学の基礎:50点

 

Ⅲ. 燃料と燃焼

この科目では燃焼および燃焼管理と燃焼計算についての問題が出ます。

得点構成は以下の通りです。

  • 燃料および燃焼管理:60点(30点×2問題)
  • 燃焼計算:50点

 

Ⅳ. 熱利用設備及びその管理

計測および制御に加えて熱利用設備の問題が出題されます。

特に熱利用設備の問題は「熱交換器・熱回収装置」、「冷凍・空気調和設備」、「工業炉・熱設備材料」、「蒸留・蒸発装置等」の4問題から2問題を選んで解答する点が特徴的です。

得点構成は以下の通りです。

  • 計測および制御:100点(50点×2問題)
  • 熱利用設備:200点(50点×4問題)

 

エネルギー管理士試験(熱分野)の勉強方法と感想

Ⅰ. エネルギー総合管理及び法規

この科目はエネルギー管理に関する法と熱・電気分野の基礎的な問題が中心です。

特に熱・電気分野の基礎問題は過去問を数年分やると8割くらいは同じような問題が出てきます。
そのためまずは、この範囲をしっかりと学習することは大事だと感じました。

逆に法規の部分は一度覚えてもすぐに忘れやすい範囲でもあるので、試験の直前から勉強したほうがいい気がしました。

法規は毎年のように出題されている「エネルギーの年間使用量」からエネルギー管理員の種類や人数を答える問題や、「事業者の判断の基準となるべき事項(法第5条)」の問題など、確実に勉強しておく範囲を重点的に抑えておくのがいいと思います。

おたち
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基礎の計算問題を確実に得点することで法規は少しあいまいな応対でも十分合格点に達する科目だと思うよ!

 

Ⅱ. 熱と流体の流れの基礎

外のサイトでも同様のことが言われているかもしれませんが、あまり流体力学や熱力学といった分野になじみのない人にとって熱分野で一番難易度の高い科目だと思います。

まず、一番最初につまずくのが熱力学の分野だと思います。

微分や積分が公式の中にあり、基礎知識がない人にとってはかなり難解な分野といえます。

しかし、大きくある4つの状態変化「等温変化」、「等容変化」、「等圧変化」、「断熱変化」のそれぞれの条件をひとつづつ理解しながら過去問を解いていくとパターンがわかってくると思います。

また各種熱機関は「カルノーサイクル」、「ランキンサイクル」の二つは完全に抑えることが大切だと感じました。

特に「ランキンサイクル」に関しては熱利用設備及びその管理でも大事になってくるのでしっかりと理解することが大切です。

残りのサイクルに関しては上記に書いた4つのサイクルのどれに当てはまるかを理解する程度で問題ないかと思います。

流体および伝熱の分野は熱力学よりかは配点が低いうえに範囲の異なる小さな小問がメインなので、基礎的な問題を中心にやって苦手なところはある程度捨てる方向でも問題ないかなと考えています。

おたち
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なじみのない人は数年かけて取り組むつもりで早めから勉強を始めるべき科目だと思うよ!

 

Ⅲ. 燃料と燃焼

この科目は燃焼計算をしっかりと過去問で対策する。これに尽きると思います。

というのもこの科目は得点が低いうえに、「燃料及び燃焼管理」の問題は細かいところを覚えておかないと解けない問題も多く年によって難易度が大きく変わってきます。

そのため、確実に点数を見込める燃焼計算をしっかりとやっておくことが大事だと思います。

逆に燃焼計算は最初を間違うと芋づる式で全部間違えることになるのでそこは意識しながら取り組むのが大事になります。

おたち
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燃焼計算は割とワンパターンだから前半の問題は間違えないように確実に得点することが大事だよ!

 

Ⅳ. 熱利用設備及びその管理

この科目は選択科目の選択が重要となってきます。

基本的には自分のなじみのある範囲を取るのが良いかと思います。
(私は「熱交換機・熱回収装置」と「蒸留蒸発装置等」を選択しました。)

また、ボイラーの問題などはⅡ. 熱と流体の流れの基礎での問題とかなりかぶる範囲になっていますので、しっかりと勉強することが大事な範囲になってきます。

とは言っても全体的に暗記が中心となる科目ですのでしっかりとテキストと過去問を繰り返すことでとることができる科目ではないかと思います。

まとめ

上記でいろいろ記載しましたが個人的に難しい科目順に並べると

Ⅱ. 熱と流体の流れの基礎 ≫ Ⅳ. 熱利用設備及びその管理 > Ⅲ. 燃料と燃焼> Ⅰ. エネルギー総合管理及び法規

だと感じました。

逆に個人的におすすめする勉強順は

1. Ⅱ. 熱と流体の流れの基礎
2. Ⅲ. 燃料と燃焼
3. Ⅰ. エネルギー総合管理及び法規
4. Ⅳ. 熱利用設備及びその管理

です。

3年で4科目取ればいい資格なので計算問題が難しい科目からしっかりと腰を据えてと取り組むことが合格に近づくポイントじゃないかなと感じました。

エネルギー管理士は簡単な資格ではありません。一年で取れるに越したことはありませんが、数年かかる場合も多いと思います。

皆さんもあきらめずに挑戦してみてください。また機会があればそれぞれの科目の詳細に関しても解説していきたいと思います。

 

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