
ブレーカーに「AT」と「AF」っていう記号を見たけど何が違うのだろう?
工場や設備の電気設計をしていると、ブレーカーの仕様欄に「AF」「AT」という表記を目にすることがあります。どちらもよく似た記号ですが、意味はまったく異なります。
本記事では、ブレーカー選定に欠かせないATとAFの違い、そして実務での選び方について分かりやすく解説します。
AF(アンペアフレーム)とは?
AFとは「Ampere Frame(アンペアフレーム)」の略で、ブレーカー本体の最大枠電流を表します。
簡単に言うと、「このブレーカーの器としての上限容量」です。
例えば、「100AF」、「225AF」、「400AF」といった表記があります。
100AFのブレーカーは、構造的に最大100Aまで対応できるフレームサイズを持っている、という意味になります。
ポイントは、AFは実際に流れる電流値ではないということです。あくまでブレーカー本体のサイズ・枠の大きさを示す値です。
AT(アンペアトリップ)とは?
ATとは「Ampere Trip(アンペアトリップ)」の略で、実際に遮断動作する設定電流値を表します。
例えば、「100AF/75AT」、「100AF/100AT」というように表記されます。
100AF / 75AT の場合、
・フレーム容量は100A
・75Aで遮断する
という意味になります。
つまりATは「そのブレーカーが何アンペアでトリップ(遮断)するか」を示す、実際の保護電流値です。
AFとATの関係性
AFとATの関係で重要なのは、
「AT ≤ AF」
という関係が必ず成り立つことです。
例えば、100AFのブレーカーに125ATを組み込むことはできません。フレームの許容量を超えてしまうためです。
実務では同じAFでも、AT違いの製品が用意されています。これにより、盤のサイズを変えずに保護電流を調整できるメリットがあります。
ブレーカーの選び方
ブレーカー選定は、以下の手順で考えるのが基本です。
① 負荷電流を求める
モーターやヒーターなどの定格電流を確認します。
② ATを決める
基本的には「負荷電流以上」で選定します。
モーター回路の場合は始動電流も考慮が必要です。
③ AFを決める
選定したATを内包できるフレームサイズを選びます。
例えば、負荷電流が68Aの場合:
・75ATを選定
・フレームは100AFを採用
といった形になります。
まとめ
・アンペアトリップ(AT):実際に遮断する電流値
ATは保護の基準、AFは器のサイズと覚えると分かりやすいです。
電気設計では、電流値の把握と正しいブレーカー選定が設備保護の基本になります。誤った選定は不要トリップや事故の原因にもなります。
ATとAFの違いを正しく理解し、安全で合理的な設計を行いましょう。

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