
ポンプの選定をしていたらミニマムフローを考慮する必要があるといわれたけどどういうことだろう?
渦巻ポンプを使うにあたって必ず必要となってくる考え方の一つとして「ミニマムフロー」があげられます。
今回はミニマムフローについて簡単に説明したいと思います。
ミニマムフローとは?
ミニマムフローとはポンプの過熱、騒音、振動などを生じることなく連続運転できる最小の吐出し量のことで、主に以下のようにポンプの二次側に戻りのラインを設けることが多いです。
この戻りのラインを「ミニマムフローライン」といいます。
ミニマムフローラインは特に渦巻ポンプの場合には必ずといっても必要なラインで、比熱が大きな流体ほど短時間で内部の温度が上がるため重要になってきます。
渦巻ポンプなどの遠心ポンプの場合、ポンプ2次側の弁を操作することにより、ポンプの流量を広い範囲で調節する特徴がありますが、流量を少なくした場合、ポンプとしては有効な仕事をしておらず、ポンプに与えられたエネルギーの大半は内部流体の温度上昇や振動/騒音などの損失(エネルギーロス)に使われてしまいます。
これによりキャビテーションが起きたり、ポンプの振動により破損に至る場合もあります。

ちなみに流量が完全にゼロの状態を「締切運転」をいうよ!
そのためプロセス側の流量がゼロになった際もミニマムフローを確保するために、一般的には調節弁やオリフィスなどを設置したミニマムフローラインが設けられています。
ミニマムフローにはどのくらいの流量が必要?

ミニマムフローには最低どのくらいの流量を流しておく必要があるの?
ミニマムフローとしての必要流量ですが、ポンプの仕様毎で異なるため、メーカーに確認するのが確実です。
参考としてポンプメーカーの一つであるテラル㈱のページには以下のように算出すると書いています。
$$Q =(Ls×860)/(60×t)$$
Q:ミニマムフロー流量[L/min]
Ls:ポンプの締切運転軸動力[kW]
t:ポンプ内部の水温上昇限度[℃]

おおよその流量を把握するのには使えそうだね!
また、このミニマムフローラインにオリフィスを設置する場合は選定するポンプの必要能力はプロセスで使用する流量+ミニマムフロー流量が必要となってきます。
逆に調節弁などで自動でコントロールする際はプロセス流量のみで十分になってきます。
まとめ
ミニマムフローは以下のような特徴があります。
- ミニマムフローは渦巻ポンプが連続運転できる最小の吐出し量
- ミニマムフローがないとキャビテーションや破損の原因につながる
- ミニマムフローはポンプごとに異なってくる
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