
配管クラスに従って配管設計をしてくれって言われたんだけど配管クラスって何だろう?
今回は配管設計の中で出てくる配管クラス(パイピングスペック)について「なぜ作られているのか」や、「どのようなことが決められているのか」などを簡単に解説していきたいと思います。
配管クラスとは?
まず、配管クラスとは、「プラントに使用する配管の流体・設計圧力・温度・腐食性などの特徴ごとにクラス分けをして、そのクラスごとに配管の材質や厚さ、フランジやガスケットの種類などを規定してあるもの」です。
配管クラスを制定しておくことで、一つ一つに配管の仕様を詳細に記載する手間を省くことができます。

この流体にはこの材料を使ってください。みたいなことをまとめたものって感じだね。
配管クラスで決められていること
配管クラスで決められているものとして代表的なものは以下のようなものがあります。
- 流体名
- 設計圧力・温度
- 配管材質・厚さ
- フランジ・ガスケット・ボルト種類
- バルブの種類
- その他
それでは具体的にどのような感じで定められているのか見ていきましょう。
流体名
まずは、何の流体に関してのクラスなのかを記載します。
一つの流体専門のクラスもあれば複数の種類の流体に対して使用可能なクラスもあります。
(例:水、空気 etc.)
設計圧力・温度
同じ流体でも圧力や温度が異なれば材質は変わってきます。
そのため、どのような圧力・温度帯で使用するのかを定めます。
(例:設計圧力 0.5MPa、設計温度 30℃ etc.)
配管材質・厚さ
流体に対して使用する配管の材質(SGP、SUS304、塩ビ管)や鋼管の肉厚(Sch.)などを規定します。
指定がある場合は製管方法や仕上げ、メッキなどについても記載します。
場合によっては配管の口径ごとに変えたりすることもあります。
(例:15A~100A SGP)
フランジ・ガスケット・ボルト種類
設計圧力・温度に応じてフランジの種類(FF,RF)やガスケット種類、ボルトナットの材質や種類を規定します。
(例:フランジ・・・JIS-10K FF, ボルト・・・マシンボルト(ユニクロメッキ) etc.)
バルブ種類
配管設計には必ずバルブが必須となってきますので対象流体で使用するバルブを規定します。
配管口径などによって細かく決められていたりします。
場合によってはバルブ種だけでなくさらに詳細まで規定している場合もあります。
(例:15A~100A グローブバルブ、ボールバルブ)
その他
そのほか、記載しておくべき事項を記載します。
例えば、可燃性物質を取り扱うラインであれば禁油であることを記載したりします。
また、配管試験について記載するのもよいとは思います。(PT, RT, 気密耐圧試験圧力 etc.)
(例:禁油 Level3、PT 5% etc.)
まとめ
配管クラスの意味や決められている事項などに関してまとめてみました。
配管クラスは必ずこうしなければならないという決まりはなく各社で独自のテンプレートによって作成されているかと思いますが、大まかには上記のようなことが記載されているのではないでしょうか。
配管クラスを守って配管設計することで材料などを間違えることなく確実に施工業者に伝えることができるうえ、完成後の保守・管理にも活用することができます。
皆さんも配管クラスを意識した配管設計をしてみてください。
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